10代から熱い支持を受け続けるホラー作家、山田悠介の作品を知る

触れてはいけない黒歴史

血迷ったとしか言いようが無いリアル鬼ごっこ6?

旧二作、新三部作と称される形でリアル鬼ごっこというシリーズは一旦の完結をみます。流石にこれ以上の展開はないだろうと思われましたが、そんなことはありませんでした。作品は2015年に公開されることが発表されてファンは切望していた最新作、という反応を示すことはありませんでした。結果論から言わせてもらえば、この作品をどうして作ろうと思ったのかが筆者には謎だ。それは年今日的なファンも思うところで、これを作るぐらいならもっと違うものにしても良かったのではないかという意見が圧倒的に占めている。

そう揶揄される6作目となる『リアル鬼ごっこ』だが、この作品は先に話したそれまでの作品とは全くの別物と見なければならない。まず、登場人物が全て女性となっており、主演も女優オンリーとして明らかに物語展開が何かおかしいという違和感に苛まれる人が多かっただろう。

それもそうだ、この作品の監督を務めた『園子温』さんは原作小説を、

‘全く読まないで題名だけで考えた脚本ありきの作品'

となっているからだ。

さて、どこから突っ込むべきなのか悩みますが、ひとまず内容に付いて軽く触れておこう。

物語概要

園子温によって全く異なる展開を見せるリアル鬼ごっこ、この作品が果たしてファンに受け入れられたかどうかといえば、もちろん酷評の嵐だった。内容的にも、ただ登場人物たちが嬲り殺されていくだけで、ホラーなどという特色は何処にもない。物語が始まって数分、そこで主人公を除く全員が上半身と下半身をかまいたちに遭遇したかのように切断され、訳もわからずパニックになって主人公は逃げ惑います。

その逃げた先でも人が死んでいき、やがて自分が突如自分ではない人間に変わってしまうという体験に苛まれる。鬼ごっこというが、明確に鬼の姿など何処にもないため何から逃げているのかがイマイチわかりにくくなっている。殺されていくのを見るのが好きな人、そういう人はおもしろいと思うかもしれません。筆者的にはただ死ぬだけで臨場感の欠片がないので作品の良さは理解に苦しむ。

園子温という監督

園子温、この方については筆者はちょっとしたエピソードがある。高校時代、とある授業で先生が持ち出してきたDVDを視聴覚教室で見たことがある。それがこの園子温監督のものだったのだが、いきなり見せられたそれは冒頭で女子高生が駅のプラットフォーム方飛び降りて集団自殺するというものだった。知っている人は知っている、『自殺サークル』というものです。それを高校の授業の、それこそ全く関係がない物を見せられて唖然としたものだ。

それ以来、持ち込んだ先生に対してもそうだがこの監督についてもあまり良く思わなくなってしまいます。友人たちは面白かったと、正直感覚を疑う感想を述べていたが、そこは個人の趣味だから仕方ないと位置づけておく。スプラッターな表現ならば園子温におまかせあれ、とでも言いたくなるような残虐性の高い作品を多く作り出していることでも有名だ。

無論そうではない作品もありますが、このリアル鬼ごっこを見た時には『悪夢再び……』とそう思ってしまったものです。ある専門家は原作を読んでいないから批判される筋合いはないというが、そういう問題ではないだろう。監督としてもやりたかったことを徹底的に盛り込んだと話しているが、映像化されるなら何でもしていいのだろうか、そんな疑問が残った。

なかったものとして

山田悠介さんの作品の中でも一番有名なリアル鬼ごっこだが、原作を読まなかった監督による映像化でここまで酷い内容に様変わりしたものだ。題名から受けた印象をそのまま脚本に書き殴ったとしか見えない展開は、にわかファンであっても理解し難い所ではある。そういう意味でこの作品は園子温さんを信奉しているファンならば好きなはずだ、としておく。