10代から熱い支持を受け続けるホラー作家、山田悠介の作品を知る

何度となく映像化されている

二作目までは似通っているが

リアル鬼ごっこという映画はこれまで6度映画化されています。初期作の人気沸騰ぶりに乗じての続編制作となったわけですが、シリーズとするにはそこまで話が続いているわけではありません。話の続きとしてまともに繋がっているのは1作目と2作目、3~5作目までは同一の時間帯で違う主人公を据え立てて鬼ごっこをしている様を描くというリアルタイム式の作品となっています。色々ややこしい部分もありますが、世界観として設定されているルールは全て共通しています。

なので見る人は1作目と2作目をセットで、3~5については同じ時間で別の主人公が同じようにリアル鬼ごっこに巻き込まれていくさまを見ていくとわかりやすくなる。では2つに分けて1作目と2作目、そして3~5作目をそれぞれ考察しつつ物語の流れを読み解きつつ考察していこう。

登場人物・世界観を引き継ぐ形で

1作目と2作目では原作に準拠して制作されている。ちょっと素行の悪いが平凡な学生として過ごしていた主人公がパラレルワールドに巻き込まれてリアル鬼ごっこに巻き込まれる、というのが映画の内容だ。原作もそうだと思うでしょうが、実は映画化される時点で原作とは内容は異なっていたのです。原作小説では主人公にパラレルワールドを行き来する能力があるなどとぶっ飛んだものはなく、西暦3,000年という未来の日本で傍若無人な王様がいきなり決めた佐藤さん狩りと称したリアル鬼ごっこに巻き込まれる、というものなのです。

そう、映画から既に原作の世界観とルール、登場人物をある程度引っ張ってきているだけなのだ。ここまでの改変もそうだが、主人公とその家族に宿る超常的な能力についても疑問はあったが、そういうことなら頷ける。そのため原作を読んだ人に言わせれば映画は全く違う、オリジナル作品として見たほうが良いという意見が多かった。それはそれで原作ファンからすれば複雑な気持ちかもしれませんが。

主人公について

1作目と2作目の主人公、『佐藤翼』という少年がリアル鬼ごっこに巻き込まれていく内容となっている。それまで平凡に暮らしていたが、ある時不良同士の抗争で追撃を振り切ろうとしている際に本人の意思に関係なく時空を飛び越えてしまった。その結果、日本だが彼の住んでいた国ではない日本へと流れ着き、否応なくリアル鬼ごっこに巻き込まれてしまいます。

鬼からの執拗な追跡をなんとか躱そうとして、自分の出自について知ることとなる。やがて妹の愛を助けるために王様を殺害してリアル鬼ごっこに終止符を打つことになりますが、1作目のラストではまた違った可能性の世界へ飛んでしまった。そこでもやっぱり鬼から逃げる羽目になり、なんやかんやとあって問題をクリアして現実の世界へと帰ろうとしますが、ここでも全く異なる時間軸の世界へ移動と、果てのないループに落ちいてしまいます。

正直死亡フラグではないのか、そう思ったがおもしろかったから良かったという人が多そうだ。

同じ時間軸で繰り広げられる鬼ごっこ

世界観は共通ではあるものの、内容はほとんど別物と見ていいのが3~5作目だ。この作品では狙われるのは佐藤さんではなく、日本全国にいる血液型がB型の人に設定変更されています。ただ世界設定については原作と同じ西暦3,000年となっている。ここにどんな意図があるのかは不明だが、それまでの作品とは違った展開になることだけは間違いなかった。

事実、リアル鬼ごっこ3~5までは同一の世界観で同じ時間で展開される異なる鬼ごっこの模様を見ていくことになります。異なる場所で同じ時間にB型の人が次々と襲われて殺害されていく、そこにはただ無慈悲なほどに人が死んでいく。

映画は全3部作で構成されており、その全てを見なければ分からない仕様となっている。何ともややこしい限りだが、内容は一貫しているからそこまで複雑ではないのが幸いだ。作品が違えば活躍する主人公も全て異なっている、そこに注目してそれぞれの作品を読み解いてみよう。

各作品の主人公

リアル鬼ごっこ3の場合

主人公は『スグル』という男子高校生で、何でもない日常を過ごしていましたがある日B型を対象とした鬼ごっこが宣言され、友人たちと共に校内を逃げ惑います。外の状況も気になる中で、何とか生き残ろうとする中でスグルは自分と同じ境遇であるリノと心を通わせていきます。

リアル鬼ごっこ4の場合

主人公『ツカサ』は男勝りの女子高生で、ある日B型を標的としたリアル鬼ごっこに巻き込まれてしまいます。校内にいてはまずいと校外へ逃亡を図りますが、それでも鬼からの執拗な追撃から逃げきれないが、途中で知り合ったマサハルと自身の境遇が似ていることで共闘し、ここにツカサの親友であるユイと共に生き延びることを誓い合う。

リアル鬼ごっこ5の場合

製薬会社に勤務する草野は希という同僚の女性社員に恋い焦がれていました。しかしそんな中でリアル鬼ごっこが宣言され、B型だった希は否応なく巻き込まれてしまいます。草野はA型で本来は鬼ごっことは関係ないが、希を救いたい一心でリアル鬼ごっこに参加していく。

どうしてB型か

三部作を見ていくと気になるのが、どうして『B型』を狙うのかという点だ。これはもちろん意味があってのこと、それはこの世界における日本では極秘裏に細菌兵器が開発されており、傍若無人な王様が奇しくもそれに感染してしまったのです。何とか抗体を見つけたい王様は自分と同じ血液型で、抗体の持ち主を見つけるための出来レースであるリアル鬼ごっこを画策したのだ。そう、最初からB型だけがターゲットにされることが決まっており、それ以外の人は手助けさえしなければ助かっていたのだ。

3・4では鬼ごっこの真実こそ語られませんが、5では真意を知った草野がある手段を持って悪の王様を打倒して鬼ごっこを終結させます。

キリは良い

3部作である理由はまとめると、B型が狙われる中で必死に逃げ惑う姿と、その真実にたどり着いたことで何が起こるか、というのが5まで見てやっと分かるのです。そのため3を見たら自動的に4・5を見ないとどうして落着したのかが分からないのだ。よく出来ている構成だが、原作のことを考えると逸脱しているのは気にしたら負けだ。